THE DISTORTED DAWN
| 第一話 暗い夜の中で 第二話 兄弟斬殺 第三話 慟哭のアムブラ 第四話 魔道師宰相 |
アムブラの大弾圧により学生達の主なものはほとんどが逮捕されていた。そんな中聖騎士伯リギアは数少ない仲間達とともにアルフリートとモーリスの脱獄を図る。しかし、その計画はナリスとヴァレリウスの予想したものであり、失敗に終わる。リギアは自室に軟禁状態になり、脱獄を図ったモーリスは暗殺され、アルフリートは牢獄で毒を盛られ死亡する。アムブラには私塾禁止令が出され、学生達は副宰相ヴァレリウスの名を憎むべき敵として語り合う。
ヴァレリウスは副宰相としてレムス国王の補佐を務めていた。アルフリートの病死が伝えられた日、アルド・ナリスが病身を謁見の間に運び、宰相の辞任を申し入れ、後任としてヴァレリウスを推挙する。その夜、カリナエに戻ったナリスの前に現れたヴァレリウスにナリスはキタイの侵略の影について語り、闇王国パロを築き上げる野望を語るのであった。
表紙はリギアさん…のはずですがなぜか金髪になっています。まあ、ヴァレリウス（とその影のナリス）にあれだけのことをされれば、不良になりたい気持ちもわからないではないです。不良が髪を染めるって古い発想ですね（＾＾；）帯は「パロの未来を覆う影」まさしく、そのままのあおり文句です。
内容は、リギアさんが可哀想な巻です。あれだけいろいろ走り回ったあげく思いっきり無駄になってますから。それに、自分が全然望んでいない方向に話がどんどん進んでいきながら、それに逆らうすべを持たないヴァレリウスが相変わらず哀れです。おいしい見せ場はナリス様に全部持って行かれるし…でも、翻弄されつつも最後にきちんと見せ場が用意されていました。「世界の主人公になるにはちゃんとそれなりに資格がいるんです。」「私はちっぽけなネズミですがネズミはネズミなりに戦いますよ。」の台詞はなかなかの名場面でした。（2010年5月15日）