101巻 北の豹、南の鷹

NORTHERN NOMAD,SOUTHERN SWORDMAN

第一話 まぼろしの民
第二話 カルラアの呼び声
第三話 炎の対決
第四話 北の豹、南の鷹

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  死霊との戦いで疲れ果てたグインはスカールの助けによりつかの間の休息を取り、スカールと共にユラ山系へ向かう。そこへグインを追うゴーラ軍が追いつき騎馬の民とゴーラ軍は戦闘になる。
 その頃、ケイロニアのグイン救出軍の元にグラチウスがあらわれ、グインがルードの森でイシュトヴァーンの手に落ちていることを知らせる。それがゴーラ軍とケイロニア軍を戦わせようとするグラチウスの企みであることをヴァレリウスは悟る。その夜、歌に熱中していたマリウスは歌を通してグインと交信する。マリウスの歌の力を感じたヴァレリウスはマリウスの中に「王の力」を垣間見るのであった。
 イシュトヴァーンとグインとスカールの三つどもえの乱戦が始まる、イシュトヴァーンはグインに追い詰められ脇腹を貫かれ重傷を負う。ゴーラ軍はイシュトヴァーンを守って後退し、グインとスカールは騎馬の民と共にユラ山系へ入る。グインはスカールに自分が記憶を失っていることを告げる。そこへグラチウスがゾンビーたちをあやつり登場する。グラチウスはスカールを黒魔道の薬で生きながらえさせ、薬なしでは生きられぬようにしていた。しかし、グインとスカールが出会ってもグラチウスの期待した≪会≫は起きず、グラチウスは姿を消す。グインたちは発生した山火事から逃れるようにしてユラ山系を北に向かう。


表紙はスカール。木の上でくつろいでいます…でもルードの森の木の上って危なそうですよね。帯には「史上空前の100巻達成! 累計2600万部突破!」の文字が載りました、今後しばらく帯はこれが続きます。

前々から予言されていたグインとスカールが遂に出会います!…ところがグインが記憶を失っていたためか何も起きません。これにはグラチウスだけでなく読者も「どうにかしてくれ〜」状態だったのではないでしょうか、この手のすかしの技術は栗本薫さんのとくいとするところですね、期待を持たせておいてすっとぬく、今度も抜けるかと思うとどんとくる、このへんの押し引きが物語り作家としての栗本薫さんの作品の面白いところだと思います。

今回の見どころはなんといってもグインとイシュトヴァーンの一騎打ちです。何度か戦っている二人ですが、イシュトヴァーンがグインに傷つけられたのはこれが初めてです、イラストはちょっと飛ばされ過ぎのような気もしますが。

あとがきでは「百の大典」の時の思い出が綴られています、懐かしいですね、あのとき舞台の上であずささまからもらった花束はいまでも大切に飾ってあります。

2010年8月19日 (木)