HALLOWED TWINS' HOME-COMING
| 第一話 遥かなり草原の国 第二話 アムネリスの恋 第三話 レントの海を越えて 第四話 謎の快速船 |
草原ではベック公がアルゴス兵とともにパロを目指す。それを見送ったスカールは草原の民とともに世界各国の情報を集め、働きかけていく。その頃、ひとりモンゴールを出奔したアストリアスはユノの町でアムネリスを婚礼からさらうために待ち構えていた。アストリアスはそこに現れた吟遊詩人マリウス捕らわれ、ノスフェラスでの出来事をすべて明かしてしまう。マリウスの正体はアルド・ナリスの弟、アル・ディーンであり、彼はアストリアスから得た情報を魔道士を通じてアルド・ナリスに送るのであった。アルド・ナリスはアムネリスを籠絡することに成功し、アムネリスは生まれて初めての恋に夢中になるのだった。
ノスフェラスでは、護衛のラゴンとセムに送られたグイン一行がロス港を目指して旅していた。セム族の舟でロス港近くまでケス河を下ってきた一行は、イシュトヴァーンの働きによりロス港の宿屋に入り込み、アルゴス行きの舟を探すのだった。なかなか適当な舟が見つからず焦る一行、そこへモンゴール軍の追っ手がかかり、ロス港は封鎖されそうになる。イシュトヴァーンはあわてて出航しようとする海賊船≪ガルムの首≫に何とか一行を乗り込ませた。≪ガルムの首≫の海賊達は双子達の素性を怪しみ、自分たちのものにしようとする。そして、嵐の夜に海賊達とグインたちの戦いが始まる。戦いの中で顔をさらし、海賊達に化け物呼ばわりされたグインは、自分がいなければ窮地を乗りこえられるだろうと判断し自ら海へ飛び込む、そこへ現れる謎の舟。グインと舟が消えた後、残されたイシュトヴァーンの絶体絶命のピンチに、落雷が≪ガルムの首≫号を襲ったのであった。
いつも思うのですが、良いタイトルですよね。
ノスフェラスの戦いの時に書いたように、私が初めて読んだのは３巻なのですが、それを読んで「これは面白い！」と思ったので、そのとき出ていたグイン・サーガを全部買ってきました（笑）そのときの最新刊が「望郷の聖双生児」だったのです。だからとても印象深い作品です。この間の名シーンと言えば…ううむ、ナリス様がアムネリスをたらし込むシーンも捨てがたいのですが…やっぱりラストのリンダでしょうか。このあたりは好みもあるのかな？
この巻あたりからあとがきの感じも変わってきて、それまでの堅い感じからだいぶやわらかくなってますね。表紙も好きだし、総合的に見てかなり好きな一冊です。(2010年1月29日)