１０巻　死の婚礼

MURDER AND MATRIMONY

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　クリスタル公アルド・ナリスの婚礼が近づき、パロではさまざまな企みが進行していた。リーナスとヴァレリウスはアストリアスを使い婚礼の席でアルド・ナリスを奪う計画を立て、アルド・ナリスは魔道士にモンゴール公子の暗殺を命じる。そしてパロ占領軍は婚礼後にクリスタル公を暗殺する手はずを整えていた。そんな中、クリスタル警備長官カースロンは部下のブルクから取り上げた奴隷女のリナにクリスタルの四方の情勢を聞き、危機感を募らせていた。実は奴隷女のリナは、ルナン聖騎士侯の娘、女騎士リギアであったのだ。婚礼の前夜、アルド・ナリスとアムネリスはしきたりによりサリア神殿に二人きりでこもり、サリアの前で互いの心を確かめ合うのだった。夜明け前、魔道士の塔にあらわれたのはサリアの塔にこもっていたはずのアルド・ナリスであった。アルド・ナリスは魔道士たちに用意させたものを検分し、婚礼に向けて何かを企むのだった。
　サリアの日があけ、婚礼の当日、集まってきたクリスタルの民に向かってアルド・ナリスは「わたしを信じるがいい。」との言葉を残し婚礼の場に向かう。いままさに婚礼の誓いがおこわなれようとするとき、そこに飛び込んできたのはアストリアスであった。アストリアスは、アルド・ナリスに傷を負わせ、剣に塗ってあった毒によりアルド・ナリスは死亡する。婚礼でのアルド・ナリスの死に当惑するモンゴール司令部に、モンゴール本国より公子ミアイルの暗殺の報が入る。アムネリスは急ぎモンゴールに帰国することになり、クリスタルの都を離れるのであった。しかし実はアルド・ナリスは身代わりにより暗殺を逃れており、アルド・ナリスは「幽霊」となりモンゴールへの反攻を企むのだった。

陰謀編の最後は『死の婚礼』です。

アルド・ナリス、リーナスとヴァレリウス、パロ占領軍とそれぞれが何かを企み、それがからまりあって婚礼の場面にたどり着くところが秀逸ですね。婚礼の席で暗殺されかかったアルド・ナリスに思わず助けを求めてしまうパロ占領軍の面々がかわいそうでかわいそうで（笑）
サリアの塔でアムネリスも思いっきりたらしこまれているし、本当にナリス様ひとりにふりまわされたモンゴール軍でした。次回からは戦乱編、戦いが始まります。(2010年2月 3日)