THE INFERNAL ISLAND
| 第一話 マリニアの花のように 第二話 神の嵐 第三話 黒い洞窟 第四話 帰還 |
モンゴールの首都トーラスではヴラド大公がクリスタル公暗殺の手はずを整えていた。アムネリスとの婚礼の夜すぐにアルド・ナリスを暗殺し、パロの王位継承権だけを得るのが目的である。大公の命を受けクリスタルに向かうボーラン。その頃、トーラスの下町アレナ通りに吟遊詩人マリウスが現れた。≪煙とパイプ≫亭で歌っていたマリウスはミアイル公子の守り役ユナスに見いだされ、ミアイル公子の慰め役として金蠍宮に入り込むことになる。日に日にマリウスになついていくミアイル。そのマリウスにアルド・ナリスからミアイル暗殺の命が下る。ミアイルを手にかけることが出来ずに苦悩するマリウスであったが、ミアイルはアルド・ナリスの命を受けた魔道士により暗殺されてしまう。マリウスは兄から受けた仕打ちを許せず、アル・ディーンの名を捨てて生きていくことを誓う。金蠍宮から脱出したマリウスをかくまってくれたのは≪煙とパイプ≫亭のゴダロとオリー夫婦であった。
一方、謎の島の洞窟でグインたちは不思議な命ある光を見、リンダはその光のなかの生き物から島の噴火を告げられる。グインたちは間一髪、島から脱出するが、その島から巨大な光の玉が飛び去っていくすがたを目撃するのだった。そして、海賊船を乗っ取ったグインたちは再び漂流の旅に出る。そのグインたちを救ったのは、沿海州の大国アグラーヤの舟であった。アグラーヤのサリア号にはアグラーヤの姫アルミナが乗っており、リンダとレムスは自分の身元を明かし、アグラーヤの賓客となるのだった。アグラーヤでアグラーヤ王ボルゴ・ヴァレンに気に入られたレムスは、護衛のための兵を借り、アルゴスに向かう。リンダとレムスはついにアルゴスにたどり着き、その場でレムスはパロの王位宣言をするのであった。
印象的な表紙ですね。ミアイルは本格的に出てきたのはこの一冊だけなのに、いろいろな意味で印象に残る人物でした。マリウスにとってのミアイル、イシュトヴァーンにとってのマルス伯は全然別な形であっても、グイン・サーガという物語の中で重要な意味を持つ存在だったのだと思います。(2010年2月 2日)