TORUS TERMINUS
| 第一話 如何なる星の下に（二） 第二話 疾風怒濤 第三話 ロス港封鎖 第四話 モンゴール最後の日 |
アルド・ナリスはパロ軍の総大将として出陣し、イシュトヴァーンはアルド・ナリスの傍らにあった。イシュトヴァーンはアルド・ナリスにつよく魅了される。そのアルド・ナリスからリンダへの恋心を聞かされたイシュトヴァーンはナリス軍から脱走し、行方をくらませた。アルド・ナリスはスカール軍と合流しアムネリス軍に対抗しようとする。しかし、アムネリス軍は突然退却を始め、パロ軍とスカール軍はそれを追撃する。
沿海州の四ヶ国海軍四十隻はロス港を目指していた。ロス港のギルドは表向き恭順の意を表すが、ヴァラキアの提督カメロンはロス港上流に隠されたモンゴール軍の舟を発見する。四ヶ国海軍のトラキアとイフキリアはモンゴールと連絡を取ろうとするが、アンダヌスの密書がモンゴールに届いていなかったため陰謀は失敗に終わる。ロス港は封鎖され、四ヶ国海軍はケス河を上りトーラスに向かう。
モンゴールでは遂にヴラド大公が自ら兵を率いてロスへ向かう決意をするが、軍議の席上突然に倒れ、そのまま死亡する。大公を失ったモンゴールは急ぎアムネリスを呼び戻そうとする。アムネリスはトーラスを目指し急いでモンゴール国境までたどり着こうとする、そこへ突然クムが参戦し、アムネリスに降伏を求める。アムネリスはクム軍との戦闘に入るが、背後から追いついてきたスカール軍とも戦いとなり、降伏しクムの虜囚となる。
モンゴールの首都トーラスには、クム参戦、アムネリス軍の大敗に続いて、ロス港降伏の知らせが入り、ユラニアからはパロ占領非難の声明が届く。モンゴールは滅びの時を迎えようとしていた。
モンゴールの命運尽き、様々な悲報がたたみかけるように四方から押し寄せてくる…このあたりの描写はさすが栗本さんです。いままでためていたものを一気に放出するこの怒濤のような展開は得意とするところで、グイン・サーガでも何度か出てくるところですね。
だいぶ後になって活躍する（？）サイデンがちょっと顔を出していたりして、あとから読み直すとなかなか興味深いです。(2010年2月11日)