１６巻　パロへの帰還

HOMECOMING HONORS

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　モンゴールは敗北し、トーラスは略奪と暴行の嵐に襲われる。連合国によるモンゴール占領軍は戦後処理を始めようとしていた。その頃、クムの都ルーアンに送られたアムネリスは、クム大公の前に引き出されていた。アムネリスはこれまでの彼女にはなかった巧みな外交姿勢により、自らの＜失われたモンゴールの公女＞としての地位を確保する。そのアムネリスにクムの公子達はつぎつぎに誘いをかけるのだった。
　トーラスでは、カメロンがスカールの訪問を受けていた。スカールは捕らえた魔道士からモンゴールのノスフェラス侵攻の経緯を聞き、ノスフェラスに向かうことを決意したのだった。ただひとりカメロンにのみ行き先を告げたスカールは忽然と姿を消す。スカールの行き先を看破したのはアルド・ナリスのみであった。
　トーラスから戻ったアルド・ナリスはクリスタル市民の熱狂的な歓迎を受ける。そしてその数日のち、リンダとレムスがついにクリスタルへ帰還する。レムスは正式にパロ国王の戴冠式を行い、パロ国王レムス一世となる。そして、アルド・ナリスを摂政公として任命し、ここにパロは再生をとげた。しかし、人々の胸にはレムスの戴冠式でリンダが叫んだ血の予知の言葉が残るのであった。

ここから「放浪編」です。といっても実際には黒竜戦役のあとしまつなので、放浪編は実質次の巻からですね。とにかくこの巻で「プロローグ」が終わり、本格的なグイン・サーガがはじまります。本編１３０冊以上あるんだから、プロローグ１６冊あってもまあ当然ですね。

今回の名シーンは、アルド・ナリスとカメロンの対決ですね。両者とも「イシュトヴァーン」という名前を出しそうで出さないところがなんともよい対決シーンです。もちろんリンダファンの人は後半のリンダの予知シーンは外せないでしょうし、リギアとヴァレリウスの対話なんかもファンなら押さえておきたいシーンです。(2010年2月12日)