あらすじがちっともまとまりません。こういう同時多発的にいろいろなことが起きる巻はどうやってまとめていいのかまったくわかりません。（泣）
ということで「運命の一日」です。グイン・サーガには「運命の…」という作品が４冊あります。全部メインとなる人物は違うのですが、それぞれの人物の行く末に大きく影響する作品に「運命の…」というタイトルがついているようです。
まず表紙ですが、誰でしょう？表紙を見ただけだとわかりませんが、口絵を見るとわかります。シルヴィアなんですね。シルヴィアは本当は金褐色の髪のはずなんですが…天野さんは髪にはあまりこだわりがないようです。
ケイロニアの大典の一日、本当に一日で一冊です。この一冊は本当に名台詞が多くて、こういう名台詞の多い巻はいいですね。やっぱり物語には名台詞です、これがなくちゃ炭酸のないコーラみたいなもので、名台詞が多いからこそ、グイン・サーガは面白くて、その中でも名台詞の多いこの作品は一級品です。
「私と、踊ってくださらないこと。グイン百竜長」「俺のような身分いやしきものでよければ、喜んで」
「我が名はアル・ディーン…」やっぱりラストシーンのこのマリウスの名乗りは何度読んでもいいですね。そして今回の作品の中で私がもっとも好きなのはバルドゥールに襲われて怪我をしたグインがイリスに告げた「痛いのと、せねばならぬことをするのとは、別なのだ」です。この台詞がなぜか私の中ですごくぴったりきて、いろいろあってへこんでいるときは、なぜかこの言葉が頭に浮かんでくるのです。そうすると不思議に元気が出てくるのです。物語の持つ力って不思議ですね。(2010年2月25日)
