３４巻　愛の嵐

FRENZY OF FASCINATION

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　　パロでは王姉リンダがカラヴィア公子アドリアンと聖騎士伯爵アウレリアスのふたりの求愛者にかこまれながらも、孤独を感じていた。グインもイシュトヴァーンも去り、レムスとは心が通わず、アルド・ナリスもよそよそしい。リンダはスニだけを頼りにクリスタルでの日々を過ごしていた。ある夜の仮面舞踏会で、アルド・ナリスはリンダに、アムネリスがイシュトヴァーンと結婚しようとしている事を話す。その話にリンダは打ちのめされ、アルド・ナリスとの言い争いになり、それに憤った聖騎士伯アウレリアスとアルド・ナリスは決闘を行うことになる。アルド・ナリスはアウレリアスに手傷を負わせるが、剣が折れ、アウレリアスの剣を胸に受け重傷を負う。決闘の最中に予言が降りてきたリンダは、夢の中でサリアの神託を受ける。それはアルド＝ナリスを夫とし、共に生きよというものであった。
　モンゴールとの戦いが始まったクムは、パロの援軍を得るためタルーとリンダの結婚を申し出てくるが、レムスはリンダの意向によりその縁談を断る。リンダはアルド・ナリスに会い、サリアの神託を告げる。そのふたりの前にまばゆい光が現れ、ふたりは本当の気持ちを確かめ合う。アルド・ナリスとリンダはそろって国王の前に現れ結婚の許しを得るのだった。