37巻 クリスタルの婚礼

CEREMONY IN CRYSTAL


第一話 婚約
第二話 ただ憧れを知る者のみ
第三話 出会い
第四話 祝婚歌

『剣の誓い』へ あらすじ 『虹の道』へ

 パロの王姉リンダとクリスタル公アルド・ナリスが正式に婚約して二十日。二人は幸福であった。アルド・ナリスはリンダをヤヌスの塔へと誘い、そこで古代機械への少年のような憧れと夢を語る。さらにアルド・ナリスはリンダをお忍びでカリナエの学生達のたまり場に案内し、リンダはそこでアムブラの学生達のパロへの熱い想いを知るのだった。ナリスと懇意のアムブラの学生カラヴィアのランは、ナリスにヴァラキアのヨナを引き合わせる。少年の頃にパロへやってきたヨナは二十歳の若さでオー・タン・フェイ私塾の助手となっていた。ヨナはナリスに世界生成とヤヌス教についての新たな解釈を語り、ナリスはヨナこそが自分の待っていた者であると認識する。
 諸国からはリンダとナリスの婚礼の祝賀の使節が到着しつつあった。その中には国王レムスの婚約者アルミナ姫も含まれており、レムスはアルミナ姫との対面でつかの間の安らぎを得る。その頃、モンゴールでは大公アムネリスとイシュトヴァーンがそれぞれの失われた恋に思いをはせ、サリアの日を前に心を乱されていた。そして迎えた婚礼の日、リンダとナリスはサリアの前で婚礼の誓いをするのだった。


婚約中のアルド・ナリスとリンダ、らぶらぶです、いちゃいちゃしております。まあ婚約期間中なんてそんなものです。

舞台がほぼクリスタルなのに登場人物はやたら多いのは、なんといっても律儀にアムブラの学生を紹介するナリス様のせいです。ここに出てきたアムブラの学生はその後活躍するものあり、ここでおしまいのものありとさまざまな運命をたどります。

ヨナが本編初登場、可愛らしかったヴァラキアの少年が知的で博識な青年になっています。しかし、彼が最終巻まで大活躍するキャラになるとはここではまったく予想できませんでした。(2010年3月28日)