RAINBOW ROAD
| 第一話 祝婚歌（承前） 第二話 輝ける日々（一） 第三話 輝ける日々（二） 第四話 満ちてくる潮 |
パロの王姉リンダと宰相アルド・ナリスは婚姻の絆で結ばれた。二人はケイロニアからの使者であるグイン将軍の到着を楽しみにしていたが、その二人の前にもたらされたのは、ケイロニアのアキレウス大帝の皇女シルヴィア姫が黒曜宮から誘拐され、グインはその事件解決の全権を委任されたという知らせであった。
リンダとナリスはアムブラの学生達から祝福を受けた翌日、新婚旅行としてマルガを経てパロ南部のサラミス、カレニア、カラヴィアへ出かけるのだった。
その頃、吟遊詩人のマリウスは妻タヴィアとともにトーラスに入っていた。マリウスは身ごもったタヴィアのために≪煙とパイプ≫亭に腰を落ち着けようとする。すべては順調に進むかのようであったが、≪煙とパイプ≫亭の息子ダンがマリウスにイシュトヴァーンの陰謀を相談したことから、トーラスに潜む闇がマリウスの前に現れようとしていた。
ナリス様とリンダの結婚式の続きです、２巻にわたって結婚式と新婚旅行が描かれるのでは、結婚式を一行の記述で済まされてしまったレムスと仲が悪くなるのは当然です。まあ、レムスの結婚式を楽しみにしていた人がいるかどうかは謎ですが。
「樹怪」で起こることがわかっていたシルヴィア誘拐がついに出てきました。子細は「アムネリアの罠」なのですが、こうやって小出しに出てくることで先が楽しみになるんですよね。シルヴィアを救い出して帰ってくれば豹頭王が誕生するわけですし、このへんの話の進め方はさすがです。
マリウスとタヴィアにも子供が出来て、そしてイシュトヴァーンとマリウスが同時にモンゴールにいたことが、マリウスの運命を大きく変えることになります。最初はのんびり新婚旅行で始まったこの巻ですが、後半は物語の転換点になっています。(2010年3月31日)