THE LEONINE LOCUS
| 第一話 誘拐 第二話 獅子の涙 第三話 大将軍 第四話 獅子の星座 |
シルヴィア公女誘拐はケイロニアに衝撃を与えた。グインはアキレウス皇帝によって事件解決の全権を委任される。捜索本部のグインの元にダリウス大公より、シルヴィア姫の安全と引き替えにケイロニアの皇帝位を請求する手紙が届く、そこにはつい半年前に友好条約を結んだユラニア大公の署名が添えてあった。グインはそれに対しケイロニアの精鋭四大騎士団の投入を提案、さらに中原の諸国にユラニア包囲網への参戦要求も提案する。ランゴバルド侯ハゾスはケイロニアの失われた皇女オクタヴィアの捜索を提案する。しかし、それはシルヴィアを見殺すことにつながる提案でもあった。騒然となるケイロニア諸侯をおさめたのは、大帝アキレウスであった。アキレウスはこの事態を招いたのはひとえに自分のふがいなさであり、ケイロニアの獅子心皇帝は死んだと告げるのだった。そして、ケイロニア大帝アキレウスは黒竜将軍グインに勅命を下す。それは、シルヴィアを奪還し、その後シルヴィア公女を娶りケイロニア王としてケイロニアの施政を司れというものであった。
グインは黒竜騎士団を率い、エルザイムへ向けて出兵した。ダリウス大公はサウル皇帝亡き後のバルヴィナに立てこもり、ユラニアと共闘する。モンゴールとクムはいち早くケイロニア支持を打ち出し、出兵する。中原に再び戦火が燃え広がろうとしていた。その頃マリウスはグインを尋ねてケイロニアにたどり着いていた、イシュトヴァーンとアリストートスの陰謀を相談するためであったが、グインの出兵を聞き、グインを追いかけてエルザイムへ向かう。
感の良い方はきがついているでしょうが、一週間ほどだらだらとこの巻にくるのをひきのばしておりました。
とても好きな巻なので、ついついもったいぶってしまいました。
ということで『獅子の星座』です。もう、題名からしていいです。なんて格好いい題名でしょう。表紙はアキレウス、帯の「グイン、怒る。」がとても的確です。帯も最初の方はいろいろ工夫してあったのに、後半は定型みたいになってしまってちょっと寂しかったです。
ケイロニアの獅子は死んだのだ…だが諸君にはケイロニアの豹闘王がいる！
この一言のためにあるような巻です。おろおろするグインも大変良い感じですが（笑）なんといってもそれまでシルヴィア誘拐でダメージを受けていたアキレウスが、グインに勅命を申しつける場面はやはり名場面です。「豹頭将軍を命ずる」と甲乙つけがたいですね。それに比べると豹頭王の時はグインも堂々としていて、ちょっと物足りなかったかも。グインがおろおろするところがもっと見たかったです。(2010年4月11日 )