THE CARAENE CONFERENCE
| 第一話 恐怖の町 第二話 カレーヌの会見 第三話 カレーヌの一夜 第四話 死霊の峠 |
吟遊詩人マリウスはグインに会うためにエルザイムを目指し、タラムの町に入っていた。マリウスは死んだようなタラムの町でレイヨウ婆と出会い、その家の客となる。一方グインはエルザイム郊外の町カレーヌでイシュトヴァーンと再会していた。他人行儀なグインの態度にイシュトヴァーンは席を立つが、それを追いかけてサイロンでの別れについて土下座して謝るグインにイシュトヴァーンは戸惑う。ケイロニア、モンゴール、クムの三カ国はお互いに協力を約束し、イシュトヴァーンとグインは共に戦うことになるが、グインの脳裏には世捨て人のルカの助言が浮かぶのだった。
マリウスはレイヨウ婆の家から旅立ち、アンナの森の峠を越えようとする。峠の頂上近くで夜を迎えたマリウスは、ゾンビーの群れに取り囲まれ、それを操る闇の司祭の手に落ちるのだった。
帯の「彼を許すのか！」が秀逸です。彼とはグインなのかイシュトヴァーンなのか。もちろんイシュトヴァーンから見れば、土下座して謝罪するグインを許すのか、という意味になりますしルカに失われた友にこころを許すなといわれたグインがイシュトヴァーンを許すのか、という意味にもとれます。おみごとな一文ですね。
前半と後半はマリウス、タラムの町が不気味で面白いです。
真ん中が再開するグインとイシュトヴァーンです、まあ、あれこれあって（このへんは実際読んだ方が絶対に面白いので省略しますが）なかよく杯を傾けるふたりですが、ここでとても印象的なのは「満足しているのか」というイシュトヴァーンに対して、決してケイロニアの仲間には見せない姿を見せるグインです。(2010年4月12日)