47巻 アムネリスの婚約

AMNELIS AFFIANCED


第一話 光の中で
第二話 それぞれの糸
第三話 カメロン探偵す
第四話 狼と毒蜘蛛

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 パロのクリスタルでは、宰相アルド・ナリスとクリスタル公妃リンダが穏やかに日々を過ごしていた。戦乱あふれるゴーラに比べ落ち着いているように見えるパロであったが、国王の参謀ヴァレリウスは、ひそかにパロの先行きを憂い、ナリスの乳きょうだいリギアに相談を持ちかけていた。アルフリート・コント問題でアムブラと王立学問所のカルファン師との間に対立が始まり、双方の後援者であるアルド・ナリスとレムス国王の間に溝が生じ始めているのだった。リギアとヴァレリウスは内乱の危機を避けるために協力することを約束する。
 ゴーラでは、ヴァラキアを去りモンゴールに迎えられたカメロンが、アリストートスのいないモンゴール宮廷で地歩をかためていた。さらにカメロンはトーラスの下町にも顔を出し、≪煙とパイプ≫亭のなじみになる。そこでカメロンは店のあるじダンからイシュトヴァーンとアリストートスの陰謀を知ってしまったこと、それを解決するために吟遊詩人マリウスが旅立ちそのまま連絡がないことを知らされる。カメロンはアリストートスの陰謀に立ち向かうことを決意する。そんな中でイシュトヴァーンはトーラスに帰国する。ユラニアで得た幼い友人リーロを失ったイシュトヴァーンにとっては失意の帰国であったが、そこで待っているカメロンを見たことでリーロを失った痛手から回復するのだった。イシュトヴァーンにとってはヴァラキアの英雄カメロンがすべてを捨てて自分のために来てくれたことが何よりのよろこびであった。モンゴール大公アムネリスはイシュトヴァーンの離れていた日々で自分の恋心に気がつき、結婚を考える。カメロンの助力でアムネリスはイシュトヴァーンに求婚し、ふたりは婚約する。


グイン・サーガには2冊しかない個人名入りタイトルの一つです。もちろん表紙もアムネリス。…でも中身の主役はアムネリス…ではないのが可哀想です(笑)

活躍するのはカメロンですが、主役はやはりイシュトヴァーンの方でしょうね。アムネリスはおろおろするだけの役です。カメロンに打ち明け話をするあたりは可愛いといえば可愛いですが、どうもさえないのはアムネリスだからでしょうか。

この巻から数巻、帯が「グイン・サーガ最新刊」になってしまってちょっと寂しいです。(2010年5月 9日)