53巻 ガルムの標的

THE GNARLED GARMR


第一話 トーラスの暗雲
第二話 カメロンの決意
第三話 迫りくる魔手
第四話 死闘

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 トーラスではクムで三公子三公女の婚礼の仲立ちをしていたアリストートスが帰国していた。それとともに≪煙とパイプ≫亭のまわりにあやしい影がうろつくようになる。モンゴール左府将軍カメロンは≪煙とパイプ≫亭のダンやタヴィアに身の回りに気をつけるように注意する。
 モンゴール宮廷は、イシュトヴァーンとアムネリスの婚約を間近にひかえていた。そこへ、クリスタル公の悲運の情報が伝わり、イシュトヴァーンとアムネリスはそれぞれに強い衝撃を受ける。イシュトヴァーンを心配するカメロンにアリストートスは、アルセイスでの陰謀をほのめかす。アリストートスの妄執を感じたカメロンはアリストートスを斬る決意をする。
 アリストートスの手下が遂に≪煙とパイプ≫亭を探り出し、襲いかかってくる。一家はあやういところをカメロンと彼の部下達に救われる。タヴィアはそんななかで産気づき、無事に女の赤ちゃんを産む。アリストートスを斬るためにカメロンは深夜の金蠍宮を訪れる。しかし、アリストートスはイシュトヴァーンの命をたてにとり、カメロンを屈服させるのだった。


パロが一段落したので、次はゴーラです。ここからゴーラの僭王まではイシュトヴァーンがメインでどんどん話が進んでいきます。表紙はイシュトヴァーン、頭の上には鳥?、足下にはいぬ?が寝そべっています。なぜだか不思議な表紙です。帯は「対決の時、迫る。」カメロンとアリストートスの対決が本格的に始まるのにふさわしいあおり文句です。

これを最初に読んだ時、どう考えてもカメロンの方が強そうで、絶対に負けそうにないけど、グイン・サーガ全体の流れとしてアリストートスは絶対にここでは死なないという確信があったので、どうやってこの巻をまとめるのか、どきどきしながら読んだのをいまだに覚えています。ラストシーンのカメロンを読んだ時には本当に格好いいと思いました。アリストートスもそこまでできればあっぱれだと思いましたねえ。(2010年5月17日)