THE SARDIUS SLAUGHTER
| 第一話 岐路への旅立ち 第二話 ガイルンの陰謀 第三話 運命の鐘が鳴る時 第四話 悪夢の婚礼 |
モンゴール右府将軍イシュトヴァーンは、ユラニアで行われるクムの三公子とユラニアの三公女の合同結婚式に参列するためにモンゴールを出立した。イシュトヴァーンは出立前にアムネリスと結婚の誓いをすませていた。トーラスに残ったカメロンは自らの部下達を指揮して、アリストートスのたくらみを暴こうとしていた。カメロンはタヴィアからマリニアがケイロニアとパロの両大国の血を引くものだということをうちあけられる。
アルセイスへの道中でアリストートスはイシュトヴァーンに婚礼の席での陰謀を語り、イシュトヴァーンにゴーラ王の地位を約束する。
アルセイスではアリストートスと手を組んだタルーとネリイは姉弟たちの暗殺を狙い、タリクはイシュトヴァーンに自分を婚礼から助けて欲しいと懇願される。
婚礼の日、三組の花婿花嫁への乾杯で、杯をほしたルビニアとエイミアが毒により殺害されたのをきっかけに惨劇が始まる。タルーとネリイは婚礼の参加者達に襲いかかり、タルーはタル・サンを討ち取る。モンゴール軍はそれをクムのお家騒動と見なし、介入を避ける。やがて、目的を達したタルーとネリイは、ネリイの新大公即位を宣言し、モンゴールとの同盟を確認する。婚礼での惨劇を知ったクムからはタリオ大公自らが兵を率いて攻め入ってくる、それに対しイシュトヴァーンはモンゴール兵とユラニア兵を率いて立ち向かおうとする。ゴーラに新たな戦乱が始まろうとしていた。
表紙はイシュトヴァーン、５３巻から５７巻までずっとイシュトヴァーンが表紙です。帯に隠れてアリストートス。帯のあおり文句は「ゴーラに異変発生！」。この巻のイラストで２４０ページのイラストがなんどみてもよくわかりません。右半分はともかく、ひだりのどこかにルビニアがいるのでしょうが…
極端に美化された三公女の絵、イシュトヴァーンにいいよるタリク、など面白い場面も多いのですが、それは陰惨な第四章をひきたてるための計算なのでしょう。前半がわりと軽く描かれているだけに第四章がとても印象に残ります。（2010年5月18日）